佐賀の男性が綴る 子育て等の備忘Log 🐣

【自閉スペクトラム症】【軽度知的能力障害】の子育てを中心に綴った備忘録です。

食事・給食の完食の強要はなぜ起きるのか

「三重・桑名市にある認定こども園で約4時間にわたり給食の完食を強要する」との報道を機に自閉スペクトラム症(ASD)の「食」についてまとめます。私たちはASDである4歳息子の食について苦慮しています。専門家ではありませんが、今まで経験や学んだことから考えていきます。

 

 

子どもへの食事・給食の完食を強要について

起こってしまう要因

私たちには、息子に食事を完食させなければならないという使命感に駆られている頃がありました。理由は以下のとおりです。

  • 食事は大事だから
  • 栄養バランスは大事だから
  • 苦労して調理したから
  • 残してしまうと処分する料理がもったいないから

 

しかしながら、息子の食事は完食どころか食事も困難でした。食わず嫌いと思い、無理やりに口に入れて嘔吐されたこともありました。次第に息子の食事は私たちの大きなストレスとなっていました。

 

息子の食事について考え直したキッカケ

四苦八苦している頃、息子が自閉スペクトラム症(ASD)と診断を受けたました。ASDと息子についての理解を深め、食事環境や食事内容の工夫につなげることが大切だと学びました。

3歳6ヶ月検診の際に保健師から「成長状況に問題ないので食事について無理をして改善する必要はない」と言われました。肩の力が抜けたのを覚えています。

写真.4歳息子が食べられるほぼ全ての物

 

ASD児の「食」に関する障害について

問題

ASDである息子の「食」には以下の障害があります。これらはASDの特徴であるこだわりの強さや感覚過敏が主な起因となっています。

  • 偏食
  • 食事環境への過敏性
  • 食べ方の未熟さ
  • 食事中の汚れ

 

偏食

給食において息子はご飯、食パン以外ほとんど食べないそうです。鶏肉やひき肉、魚を時々食べる程度とのことです。

 

食事環境への過敏性

年少の時、給食時に着席しない、着いてもすぐ離席する、といった行動がありました。

 

食べ方の未熟さ

保育施設ではお箸を使うよう促されていますが、息子は使えていません。

 

食事中の汚れ

食事中に指に食べ物が付いたり、服が汚れたりすると嫌悪感を抱き、食事への意識が逸れ中断することがあります。

 

息子への対応

保育施設の先生方からは息子について理解していただき、非常に丁寧な対応をしていただいています。

偏食

偏食への主な対応として以下を学びました。

  • 大きさを変える
  • 調理法を変える
  • 温める、冷ます
  • 混ぜる

 

しかしながら息子は言語能力が低く伝達が困難のため、上記の対応は手探りとなり大きな手間となりました。そのため私たちは主に以下のような対応をしています。

  • どの料理も飲食を勧めてみる
  • 前回、口をつけなかった物でも勧めてみる
  • 食べられる物を準備しておく
  • 保育施設と情報を共有する

 

食事環境への過敏性

席に着き難い息子のために専用の席を設けてくれました。専用の席を設けると息子は自ら席に着き、離席することが少なったそうです。

年中になった現在、みんなと一緒に給食を食べられるようになっているとのことです。

 

食べ方の未熟さ

毎日、お箸を持参しています。時々お箸でご飯を食べようとしているとのことでした。ほとんどは保育施設のスプーンを使わせていただいているとのことです。

 

食事中の汚れ

汚れが不快であることを伝えられるように練習しています。タオルやティッシュペーパー等の催促をし、自ら拭けるように練習をしています。

 

「三重・桑名市 認定こども園での給食完食の強要」に対する所感

私は経験に沿って、強要の原因を食事のストレスに的を絞りまとめました。実際の原因についてはわかりません。他のストレス・環境・経験・精神疾患など様々考えらます。

www.maff.go.jp

ただ上記のとおり「食」は非常に重要だと考えます。だからこそ、育児のプロである保育士に給食の完食を強要して「食」に嫌悪感を抱き続けるような育児をしてほしくなかったです。

私自身、偏食が激しかったです。小学校低学年まで食べられる物は、数えられる程度でした。「食」の大切さを説かれながらも寛容に対応してくれた周囲の方々には感謝しています。お陰様で今では食事好き、料理好きになりました。

 

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